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WORKS / PORTRAIT PHOTOGRAPHY

集合写真|引退した客船「にっぽん丸」と加賀友禅大使 ― 金沢港に残る最後の記録

2026.09.05 PORTRAIT PHOTOGRAPHY
集合写真|引退した客船「にっぽん丸」と加賀友禅大使 ― 金沢港に残る最後の記録

WORKS / PORTRAIT PHOTOGRAPHY

引退した客船「にっぽん丸」と
加賀友禅大使。
金沢港に残る最後の記録

石川県金沢市、金沢港クルーズターミナル。この日の撮影は、加賀友禅検定教本「加賀友禅のきほん」にも関わるお仕事だった。ターミナル内の一室にスタジオ機材を持ち込み、加賀友禅大使の皆様をお一人おひとり撮影する。その撮影を終えたのち、場所を屋外へ移し、停泊していた大型客船「にっぽん丸」を背景に、皆様揃っての一枚を撮ることになった。

この撮影場所と許可は、加賀友禅会館がクルーズターミナル側からきちんと取得してくださっていたもの。だからこそ、あの船の前で、堂々と、安全に撮影することができた。

金沢港に停泊する客船にっぽん丸を背景にした加賀友禅大使の集合写真

PORTRAIT PHOTOGRAPHY

金沢港クルーズターミナルでの撮影

屋内での個人撮影を終えたあと、舞台は金沢港の屋外へ移った。被写体は加賀友禅をまとった大使の皆様。そして、その背後に停泊していたのが客船「にっぽん丸」だった。

BACKGROUND

客船「にっぽん丸」、35年の航海に幕

その日、背景として立っていた「にっぽん丸」は、1990年に就航し、35年にわたって日本のクルーズ文化を牽引してきた船だ。国内外400以上の港をめぐり、2026年5月10日、横浜港への帰港をもって、その航海に幕を下ろした。

金沢港にも幾度となく寄港してきたこの船が、もうこの海に姿を見せることはない。

ON LOCATION

風と強い順光の中で

写真だけを見ると、秋晴れの心地よい一日、穏やかな一枚に見えるかもしれない。けれど実際は、港特有の強い風との勝負だった。せっかく美しく整えていただいた着物の裾が、風でめくれてしまう。柄がきれいに写らない。かといって撮影時間は限られている――焦りながら、風がふっと収まる一瞬を待った。

しかも、太陽と大使の皆様、そしてにっぽん丸が一直線に並ぶ強い順光。皆様は眩しさに目を開けているだけでも大変だったはずだ。シャッターを切る瞬間に私が掛け声をかけたのは、まばたきを防ぐため。メディア対応に慣れていらっしゃる大使の皆様でさえ、あの日の光の強さには相当苦労されたと思う。

風を読み、光と競い、限られた時間の中で条件が揃う一瞬を掴む。屋外での集合写真には、こうしたイレギュラーがつきものだ。けれど、それを乗り越えてシャッターを切りきった瞬間こそが、この仕事の醍醐味でもある。

PHOTOGRAPHER'S DECISION

一人ひとりの表情と、一瞬を合わせる

こうした集合写真の現場は、これまでも学校の入卒記念、役場の式典、家族写真、各種イベントなど、数多くの現場で積んできた。一人ひとりの表情とタイミングを合わせる感覚は、そうした積み重ねの上に成り立っている。だからこそ、あの強風と強い順光の中でも、落ち着いてシャッターチャンスを待つことができた。

PRESERVING THE MOMENT

なぜこの一枚が「二度と撮れない」のか

にっぽん丸、加賀友禅大使、金沢港クルーズターミナル。この三つが同じ一枚に収まる機会は、もう二度と訪れない。当時はただの記録写真のつもりで切ったシャッターが、時間が経つことで、かけがえのない一枚に変わっていた。

AFTERWORD

撮影者として記録に残す理由

あなたが何気なく残してきた写真の中にも、もしかしたら、同じように「もう二度と撮れない」瞬間が写っているのではないだろうか。

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CLIENT — 加賀友禅会館

SUBJECT — 加賀友禅大使

PURPOSE — PORTRAIT / DOCUMENTARY PHOTOGRAPHY

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