WORKS / VEHICLE PHOTOGRAPHY
金沢・香林坊と金沢駅前を舞台に、ポルシェ911の964と930を夜間撮影。途中から降り始めた雨とフラッシュが、2台の造形を鮮明に浮かび上がらせたオーナーカー撮影です。
PROJECT
撮影について
SUBJECT:Porsche 911(964 / 930)
OWNER:kanoyoshinori / Supa Tarou
LOCATION:石川県金沢市・香林坊 / 金沢駅前
CATEGORY:VEHICLE PHOTOGRAPHY
PHOTOGRAPHY:Marvelous Photo
金沢・香林坊の街灯とネオンサインが、夜の街並みを照らす時間。PANERAIの前に、白のポルシェ911(964)と銀の911(930)、2台のポルシェが静かに並んだ。
普段は金沢市を中心に、販売車両をはじめとした商業撮影を行っているが、今回は少し毛色が違う。
白の964を所有するkanoyoshinori様、そして銀の930を所有するSupa Tarou様。お二人のご厚意によって実現した、仕事の外側でのオーナーカー撮影だった。
kanoyoshinori様は、加賀にあるカーサービスフクモトの店長さん。自分がアバルト124スパイダーを2台購入した際に大変お世話になったご縁があり、それ以来、家族ぐるみで仲良くさせていただいている。
銀の930を所有するSupa Tarou様は、kanoyoshinori様のお客様であり、ポルシェを通じてつながったご友人でもある。
一台の車から生まれた縁が、また別の縁へつながっていく。今回の撮影は、そんな輪の中に自分も加えていただいた夜だった。
ポルシェ964と930で巡る、夜の金沢
この日はSupa Tarou様の愛車の助手席に乗せていただき、2台のポルシェとともに夜の金沢を巡った。
最初の撮影場所は香林坊。PANERAIやTAG Heuerのサインが灯る街並みを背景に、2台の911を配置した。
撮影を始めた時点では、まだ雨は降っていなかった。夜の街灯やショーウインドウの光を利用しながら、白と銀、それぞれ異なるボディカラーと911特有のシルエットを撮っていく。
そして撮影を続けるうちに、空から雨粒が落ち始めた。
雨が引き出した、911のボディライン
愛車撮影で雨が降り始めれば、そこで撮影を切り上げる判断になることも少なくない。しかし、この日の二人は違った。
雨の中で撮る車の良さを知っていたからこそ、そのまま撮影を続けることになった。結果として、この雨が写真に大きな変化を与えた。
ボディ表面を覆った細かな水滴と水膜が光を受け、フラッシュの反射と重なることで、Porsche特有の滑らかなボディラインやフェンダーの輪郭が鮮明に浮かび上がっていく。
乾いた塗装面とは違う、濡れたボディならではの艶。ルーフからリアへ流れる曲線。張り出したフェンダー。丸みを帯びたフロントまわり。
911を形づくる一つひとつの曲面が光をまとい、その造形がよりはっきりと見えるようになった。
雨は撮影を妨げるものではなく、この夜に限っては2台のPorscheをさらに美しく見せる要素になった。晴れたままだったら、撮れなかった写真だったと思う。
金沢駅前、雨粒と都市の光
続いて向かったのが金沢駅前。ハイアット セントリック金沢の縦方向へ伸びるファサードを背景に、低い位置から2台を撮影した。

暗い夜空の中を舞う細かな雨粒。街灯の光を受けた雨が一粒ずつ浮かび上がり、その下には濡れた2台の911が並ぶ。
建築物の直線的な造形と、964・930が持つ丸みを帯びたシルエット。時代も用途も異なる二つの造形だが、金沢の夜の光の中では不思議なほど自然に馴染んでいた。
濡れた路面もまた、街灯や建物の光を反射する。車体だけではなく、空気、雨、建築、路面まで含めて一枚の画面をつくる。晴天時とはまったく異なる夜の金沢を写すことができた。
商業撮影とは違う、オーナーカーの撮り方
販売車両などの商業撮影では、車体色や状態、形状を正確に伝えることを最優先にしている。
一方、今回のようなオーナーカー撮影では、その車がいる場所や時間、街の光まで含めて一枚の写真をつくる。
どの角度からシルエットを見せるか。街灯をどこに入れるか。濡れた路面の反射をどう利用するか。そして、フラッシュの光をどの曲面へ当てるか。
夜のストリート撮影では、信号待ち、通行人、交通量、天候など、状況が刻々と変わっていく。限られた時間の中で、その場にある光と状況を読みながら構図を決めていく。
今回はさらに途中から雨が加わった。予定どおりに進めるのではなく、変わっていく条件そのものを写真へ取り込む。それも車両撮影の面白さの一つだと思っている。
2台の911と過ごした金沢の夜
写真を撮る理由は、仕事だけではない。オーナーが長く大切にしている車には、その車と過ごしてきた時間がある。
今回撮影した964と930も、単なる被写体としてではなく、それぞれのオーナーが大切にしてきた一台として向き合った。
商業案件では出会えない、所有者自身の愛情が感じられる車と、その時間を写真として残せたことは、自分にとっても得難い経験だった。
そして、途中から降り始めた雨。そこで撮影を終わらせず、その状況を一緒に楽しんでくれた二人だったからこそ、この夜の写真は生まれた。
撮影の機会をくださったkanoyoshinori様、Supa Tarou様に改めて感謝したい。
kanoyoshinori様 Instagram
Supa Tarou様 Instagram
VEHICLE PHOTOGRAPHY
愛車の記念撮影、オーナーカー撮影、販売車両撮影など、石川県・金沢を中心に車両撮影のご相談を承っています。
車を単に記録するだけではなく、その車らしさや造形、場所、光、オーナーと過ごしてきた時間まで含めて、一台のポートレートとして残します。
BUILD THE CAR.
CAPTURE THE SOUL.