VEHICLE PHOTOGRAPHY
CLIENT — THX&CO
VEHICLE — FERRARI F430 SPIDER
SHOOTING — 2026.07.31
PURPOSE — CONSIGNMENT SALES / VEHICLE PHOTOGRAPHY

PROJECT
白と赤。その一台をどう見せるか。
今回撮影したのは、THX&COが委託販売を担当するFerrari F430 Spider。
白いボディに赤いソフトトップ、そして赤を基調としたインテリア。
実車を目の前にして、まず強く感じたのが、このWHITE × REDという個性だった。
ルーフを閉じた姿と、開いた姿。同じ一台でも表情が変わる。
今回は、そのキャラクターを写真の中でどう見せるかを撮影の軸にした。


THE CAR
この車は、何者なのか。
車を撮る前に、その車が何者なのかを知る。
Ferrari F430が登場したのは2004年。そして翌2005年、オープンモデルとなるF430 Spiderが登場した。
F430は、FerrariがFormula 1で培ってきた技術をロードカーへ積極的に取り入れていた時代の一台でもある。
その象徴の一つが、ステアリングに備わるmanettino。
こうした背景を知ってから実車を見ると、それまで単なる部品に見えていたものにも意味が見えてくる。


THIS CAR’S STORY
CORNESから始まった、日本での時間。
この車両はCORNESから購入された一台。
F430 Spiderが登場した2005年は、CORNESがFerrariの日本総代理店として正規輸入を担っていた時代にあたる。
車両に残るCORNESのディテールも、ただのステッカーではなく、この一台が日本で歩いてきた時間の一部として残す。


COLOR
ルーフを開けると、もう一つの表情が現れる。
白いボディに赤いソフトトップ。ルーフを開けば、今度は赤いインテリアがエクステリアの中に現れる。
白の中に、どれだけ赤を見せるか。
今回の撮影では、そのバランスを意識した。

CONDITION
格好良く見せることと、正しく見せること。
Ferrariを魅力的に見せることは必要。でも販売車両の写真には、憧れだけではなく、その一台がどんな状態なのかを伝える役割もある。
Ferrariであることを見せる写真。
そして、この個体そのものを見せる写真。
その両方を残すことを意識した。

DETAIL
一台の個性は、細部に現れる。
足元には、Vellano Wheelsのホイール。ブラックとポリッシュの奥には、赤いFerrariのブレーキキャリパーが見える。
パーツを単に記録するのではなく、そのパーツが、この車の印象をどう作っているのか。そこまで写真で伝えたい。





PROTECTION
見えにくいものにも、意味がある。
この車には、飛石対策としてプロテクションフィルムが施工されている。
写真で強く見せるものではない。でもそれも、この一台がどう扱われてきたのかを知る手がかりになる。

ENGINE
機械としてのFerrari。

華やかなWHITE × REDの奥にある、4.3L自然吸気V8。エンジンルームもまた、この一台を構成する重要なディテールとして残した。
INTERIOR
赤に包まれるコクピット。
白い外装から一転、室内には赤いレザーが広がる。


そしてここには、F430というモデルの歴史を象徴するディテールも残っている。

そしてステアリングには、F430を象徴するmanettino。
歴史を調べて終わるのではなく、目の前にある一台の中から、その歴史を探す。
CLIENT
THX&CO
今回のF430 Spiderは、オーナーから預かった委託販売車両。
THX&COでは販売に向けて車両各部を確認し、再整備を行ったうえで販売準備を進めた。
撮影日は2026年7月31日。そして8月29日には販売先が決まった。
撮影から約1か月。
車両そのものの魅力、コンディション、販売条件、ショップへの信頼、そして購入する人とのタイミング。車が売れるまでには、いくつもの要素がある。
写真も、その一つ。
だから販売車両を撮る自分の役割は、買うかどうかを判断するために必要な魅力と情報を、写真として正しく届けること。
PHOTOGRAPHER’S DECISION
Ferrariだから撮るのではなく、この一台だから撮る。
一台の車には、カタログには書かれていない履歴がある。
誰かが選び、乗り、手を入れ、守り、そして次のオーナーへ渡っていく。販売車両を撮影するときに考えるのは、「この一台の何を、次の人に伝えるべきか」ということ。
撮影は、シャッターを切る前から始まっている。
撮影前にモデルの来歴や特徴を調べ、資料だけでは分からないことは、実車を見て、オーナーやスタッフに話を聞く。
THX&COは撮影の現場であると同時に、自分にとって車を学ぶ場所でもある。そこで得た知識や経験も、次の撮影で「何を見せるべきか」を考える材料になっている。
調べる。聞く。実車を見る。そして、撮り方を決める。
その車が何者なのか。どんな時間を歩いてきたのか。そして今、どんな状態にあるのか。それを知ったうえで、残すべきものを写真にする。
BUILD THE CAR.
CAPTURE THE SOUL.