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【石川県金沢市】海を旅する住まい「THE WORLD」が金沢港へ来航

2026年9月11日、石川県金沢市の金沢港クルーズターミナルに、白い船体のTHE WORLD(ザ・ワールド)が停泊していました。

全長は約196メートル。岸壁に接岸した姿だけを見れば、上質な大型クルーズ客船に見えます。しかし、この船を一般的な豪華客船と同じものとして紹介すると、本質を外してしまいます。

THE WORLDは、航海ごとに乗客が客室を予約する通常のクルーズ船ではありません。船内にある165戸の住居を、それぞれの居住者が所有する私有のレジデンシャルシップ。端的にいえば、世界の海を移動し続ける「分譲マンション」のような船です。

金沢港クルーズターミナルに停泊するTHE WORLDの船首側全景
金沢港の岸壁に停泊するTHE WORLD。全長約196メートルの船体が港の景色を大きく変える。

THE WORLDは「クルーズ船ではない」のか

THE WORLDの公式サイトは、この船をクルーズ船ではなく「地球上最大の私有レジデンシャル・ヨット」と説明しています。

ただし、ここは少し注意が必要です。船舶情報上のTHE WORLDは、バハマ船籍の旅客船として登録されています。つまり「旅客船ではない」という意味ではなく、一般客向けに区間や日程を販売する通常のクルーズ商品とは、所有と暮らしの仕組みが違うということです。

一般的なクルーズ客船THE WORLD
旅行者が航海ごとに客室を予約する居住者が船内の住居を所有する
船会社が航路を企画する居住者が将来の寄港地選定に関わる
旅の期間だけ滞在する自宅として繰り返し、または長期間暮らせる
客室は旅のための宿泊場所165戸がそれぞれ私有の住まい

タイムシェアでもありません。公式FAQによれば、各住戸は居住者が完全に所有し、居住者全体で船そのものも所有しています。

165戸の住まいが世界を巡る

THE WORLDは2002年に就航しました。公式情報では、スタジオタイプから2〜3ベッドルームのオーシャンレジデンスまで、計165戸の私有住居を備えています。

船は世界各地を巡り、居住者は自分の都合に合わせて船上の自宅へ戻ります。通常乗船している居住者とゲストは平均200人以下。巨大な船体に対して人数を抑え、居住性とプライバシーを重視した仕組みです。

次の寄港地は誰が決める?居住者が参加する旅程づくり

さらに興味深いのは、寄港地を運営会社だけで一方的に決めるのではなく、居住者が将来の旅程づくりに参加する点です。THE WORLD公式サイトは、毎年の航程で訪れる目的地や現地体験の選定について、すべての居住者が意見を持つと説明しています。

ただし、公開されている公式情報からは「1住戸1票」などの具体的な投票方式までは確認できません。正確には、居住者の意向を反映して旅程を選ぶ仕組みと表現するのが適切です。自宅の次の行き先を、そこで暮らす人たちが一緒に考える。通常のマンションにも一般的なクルーズ船にもない、THE WORLDならではの面白い仕組みです。

2026年の航海は、6大陸・20か国・90の目的地を巡る計画。オセアニア、南極周辺、南太平洋、南北アメリカを経て東アジアへ進み、その行程のなかで金沢港に姿を見せました。

THE WORLDのロゴと青く反射するブリッジ周辺
青く反射するブリッジと、船体に掲げられたTHE WORLDの名称。

THE WORLDの主な船舶データ

  • 船名:THE WORLD
  • 種別:私有レジデンシャルシップ/登録上は旅客船
  • 就航:2002年
  • 船籍:バハマ
  • 母港表示:Nassau(ナッソー)
  • IMO番号:9219331
  • 全長:196.35m
  • 幅:29.8m
  • 総トン数:43,188GT
  • 住居数:165戸
  • 通常の居住者・ゲスト数:平均200人以下

船尾に記された「NASSAU」の文字も、写真から確認できます。

金沢港に停泊するTHE WORLDの船尾とNASSAUの表記
船尾側から見ると、住居のバルコニーが何層にも積み重なる構造がよく分かる。

金沢港で見ると、船よりも建築に近い

岸壁から見上げて印象に残ったのは、客船らしい華やかさ以上に、船側に整然と並ぶバルコニーでした。

同じ外観要素が水平に積み重なり、その一つひとつが誰かの私有空間になっている。長大な白い船体は、海上の乗り物というより、巨大な集合住宅やホテル建築を横から眺めているようにも見えます。

船尾方向から眺めると、何層にも重なる住居と共用空間の密度がよく分かります。THE WORLDという船名を知らなくても、この窓とバルコニーの反復だけで、一般的な船とは少し違う存在だと感じられました。

THE WORLDとABARTH 124 SPIDER

今回はABARTH 124 SPIDERとTHE WORLDを一枚に収めました。

世界の海を移動する住まいと、石川の道を走る小さなオープンカー。大きさも目的もまったく異なりますが、どちらも「移動する時間そのものを楽しむ」という点では、どこか通じるものがあります。

手前のABARTHと背景のTHE WORLDを一つの画面に収め、車と船の大きさの違いを表現しました。焦点距離と撮影設定は、次の撮影データで紹介します。

THE WORLDとABARTH 124 SPIDERを一緒に収めた写真は、TAMRON 18-300mm F/3.5-6.3 Di III-A VC VXD(Model B061/RF)で撮影しました。撮影設定は1/320秒・F10・ISO 200・焦点距離26mm。EOS R5のAPS-Cクロップでは35mm判換算約42mm相当となり、過度な広角表現を避けながらABARTHと巨大な船体を一つの画面に収めています。手前の車から背景の船体まで輪郭を保つため、絞りはF10を選びました。

金沢港に停泊するTHE WORLDと白いABARTH 124 SPIDER
世界の海を巡るTHE WORLDと、石川の道を走るABARTH 124 SPIDER。

まとめ|海の玄関口で出会った、もう一つの暮らし方

THE WORLDは、豪華な船であること以上に、「住まいを一つの土地に固定しない」という考え方を形にした存在でした。

金沢港に寄港する大型船は、その日、その時間にしか見られません。だからこそ、船名や大きさだけでなく、なぜその船が特別なのかまで調べて写真と一緒に残すことに意味があります。

静かな日本海側の港に停泊した、世界を巡る165戸の住まい。その非日常的な姿を、2026年9月11日の金沢港の記録として残します。


撮影情報

  • 撮影日:2026年9月11日
  • 撮影地:石川県金沢市・金沢港クルーズターミナル
  • カメラ:Canon EOS R5
  • レンズ:TAMRON 18-300mm F/3.5-6.3 Di III-A VC VXD(Model B061/RFマウント)

参考資料

船舶・航海情報は2026年9月11日確認。撮影日時と機材は掲載写真のEXIF情報から確認しています。

アクセス・位置情報

金沢港クルーズターミナルは、石川県金沢市無量寺町リ-65にあります。JR金沢駅から約5km、車で約15分。北陸自動車道の金沢西ICまたは金沢東ICからも、それぞれ車で約15分です。

  • 所在地:〒920-0332 石川県金沢市無量寺町リ-65
  • 開館時間:9:00〜21:00
  • 休館日:12月29日〜1月3日
  • 入館料:無料
  • 一般駐車場:7:00〜22:00、無料

クルーズ船の寄港日やイベント開催日は、駐車場や周辺道路が混雑する場合があります。訪問前に公式情報と現地の案内を確認してください。

Googleマップで金沢港クルーズターミナルを開く

金沢港クルーズターミナル公式サイトで利用案内・アクセスを確認する

施設・アクセス情報は2026年9月11日時点の公式案内を確認しています。開館時間や利用条件は変更される可能性があります。

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投稿者: marvelous photo

marvelous photo。石川県を拠点に活動する商業フォトグラファーです。人物・着物・選挙広報・建築・伝統工芸・車・バイク・船舶などの撮影に加え、ドローン空撮や中古車情報媒体向けの車両撮影、撮影機材の販売を手がけています。アバルト124スパイダー、写真撮影、石川県の撮影スポットを発信するフォトメディア『124 LIFE』を運営しています。

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