Site Overlay

レコモンの調整 ~バルブ常時開放、やってみた顛末~

弁の常時開放を試みた

アバルト124スパイダー レコードモンツァ
ABARTH 124SPIDER Record monza

「改良」のつもりが「調整」になった話

本当はタイトルを「レコモンの改良」としたかった。

でも、レコモンに手を入れようとショップで診てもらったところ判明した事実がこちら。

⇨レコモンの排気バルブが常に全閉状態だった

原因は、

⇨サビや汚れによる固着

……だそうです。

「こんなことあるんですか?」と聞いたら、ショップの人いわく稀なケースとのこと。

ただ実際にオーナーのレビューを見て回ると、124スパイダーのレコモンはバルブが固着しやすいという声が意外と多く、予防策として月イチでオイルを差して可動部を保護しているオーナーもいるようです。なので「稀」というよりは「たまに聞く話」くらいに捉えておいたほうが良さそうです。

結論から言うと──

⇨レコモンの楽しみが人生の中で半分になっていた

……ということだったようです(笑)


そもそも何をしたかったのか

きっかけはシンプルで、

⇨エキゾーストノート、排気音をもう少しだけ大きくしたかった

これだけです。


レコモンのバルブってそもそも何なのか(加筆)

ここで少し解説を挟みます。

アバルトの純正アクセサリーである「レコードモンツァ」は、アバルトの創業期から続く伝統のチューニングパーツで、触媒より後ろのエキゾーストを丸ごと交換する形で装着されます。124スパイダーの場合は4本出しテールが特徴で、常にすべての管から排気しているわけではありません。

新しいタイプのレコモンは、4本のうち外側2本が「直管」、内側2本がサイレンサーを通る経路になっており、直管側の出口にバルブが付いています。ノーマルモード(大人しい設定)ではこのバルブは基本的に閉じたままで、内側の静かな2本だけが排気を担当します。スポーツ/スコーピオンモードに切り替えたり、一定の車速域に入ったりするとバルブが開き、直管側からも排気されることで音量・音質が変化する仕組みです。

レコードモンツァのバルブシステムは2種類あり、バルブを動かしているのは

・電磁弁
・エンジン側の負圧(吸気の負圧)

アバルト124スパイダーのバルブ(弁)は排圧で開くタイプ


エンジンをかけてノーマルモードに入ると電磁弁が働いて吸気の負圧を排気バルブ側に導き、その負圧でバルブを引っ張って閉じます。逆に言うと、負圧がバルブに届かなくなればバネの力でバルブは開く方向に戻る、というのが基本構造です。

だからこそ「電磁弁へ行く配線コネクターを抜くだけでバルブが常時開放になる」という手法が、595系オーナーの間ではよく知られています。

今回のケースバルブが全閉のまま固着していたという点です。本来ならエンジン停止中や負圧が抜けた状態ではバルブはバネで開く側に戻るはずなので、それが戻らなかった=可動部そのものがサビや汚れで固まっていた、という診断は理屈としてもつじつまが合います。

ここで一点補足しておきたいのですが、124スパイダーのレコモンは、電磁弁+吸気負圧でバルブを引っ張って閉じるタイプではなく、排気圧力そのものでバルブが開くタイプです。エンジン回転が上がって排気圧力が高まると、バネで押さえ込まれているフラップ(バルブ)がその圧力に押されて開く、いわゆる排圧フラップ式の構造になっています。595系の一部で使われている電子制御・負圧作動式とは仕組みが異なるので、混同しないよう注意が必要です。この排圧式という前提に立つと、「エンジンを回しても本来開くはずのバルブが開かない=フラップの可動部がサビや汚れで固まって、バネの力にも排圧にも負けてしまっていた」という今回の故障の筋が、より正確に説明できます。


実際にやったこと

⇨バルブをタイラップで固定し、常に開いた状態を維持する
⇨または、何らかの方法でバルブを常時全開に固定する

というのを行いました。

タイラップで留めた理由は単純で、来るべき車検のときにパチンと切るだけで元の状態(車検対応状態)に戻せるようにするためです。応急的、かつ可逆的な処置にしておいたのは正解だったと思います。

ちなみに「排気管周りの熱でタイラップが溶けてしまうのでは?」と心配される方もいるかもしれませんが、その点はご安心ください。取り付け位置がマフラー出口付近であれば、タイラップが変形するほどの熱には晒されず、溶けてバルブが動いてしまうといった心配はありません。


結果:音、変わらなかった説(笑)

結論としては──

⇨バルブを常時開放にしても、エキゾーストノートは全閉状態とほぼ変わらなかった

全閉でも全開でも体感できるほどのサウンドの違いは正直わかりませんでした(笑)

あくまで推測ですが、ECU側の制御が別のところで効いているのかな、と当初は考えていました。ただ調べてみると、レコモンの音の変化は「エンジンを高回転まで引っ張ったとき」や「アクセルオフで回転が落ちていくときの余韻」など、特定の使用シーン・回転域でこそはっきり出るように設計されているようです。逆に言うと、街乗りの巡航速度や軽いアクセルワークの範囲では、バルブが開いていようが閉じていようが体感差が出にくい可能性があります。

なので「CPU制御が仕事をしてくれているのかも」という当初の予測は方向性としては悪くないものの、正確には「バルブの開閉そのものより、回転域・負荷域による排気の抜け方の違いが支配的で、日常domain的な使い方では差が出づらかった」と捉えるほうが実態に近そうです。デジベル計で計測すればわずかな差は出るかもしれない、という当初の見立ては今でも妥当だと思います。

レコモンの改良については課題として残ったので、また別の方法を試してみようと思います。

高音域をもっと欲しいと思う瞬間もありましたが、ターボ車で「絞る」方向の加工をするのはナンセンスだと気づきました。過給機は背圧に敏感なので、下手に絞るとパワーやレスポンスを犠牲にしかねません。

レコモンの改良ならぬ、レコモンの調整――というオチでした。


手を加えた状態を保っているか確認する方法

音だけだと正直わかりにくいです。

おすすめは、寒い日の朝、エンジンが冷えている状態でスタートする方法。

パイプ4本すべてから白煙(水蒸気)が出ていればバルブは開放状態、片側の内側2本からしか出ていない場合は閉じている、という判定ができます。目視なので確実性が高く、おすすめのチェック方法です。

補足として、信号待ちなどのアイドリング時に「ゴロゴロ」「ゲロゲロ」とわざとらしいアイドリング音が続くようなら、それもバルブが開いているサインのひとつです。逆に走り出すと大人しくなる場合は、車速による自動制御(低中速域での閉弁)が生きている証拠でもあります。


バルブについて、個人的な感想

ここからは私個人の感想なので、あくまで参考程度にお願いします。

バルブを常時開放にした結果、アフターファイヤ(アクセルオフ時のパンパンという音)がむしろ出にくくなった気がしたので、「バルブはあったほうがいい」と判断して元に戻しました。

実はレコモン装着車はアクセルオフ時にパンパン音が鳴りやすいという話は他のオーナーからもよく聞く話で、私の体感とも一致します。バルブを常時開けっぱなしにすることで排気の抜けが良くなりすぎて、逆にあの「溜め」から来るパンパン感が薄れたのかもしれません。

あと「4000rpmくらいから音が良くなってる!」と感じたこともありましたが、そもそもバルブは普通に開くはずの回転域なので、常時開放にしていたことと直接の関係はなさそうです(笑)

アイドリングから低速域での変化を期待していたのですが、正直そこまで意味はなかったな、というのが今回の感想でした。m(_ _)m

やるなら中途半端に固定するより、バルブの中身自体を取っ払ってしまうくらいのほうが変化を感じやすいかもしれません。ただしその場合は車検対応に戻すのが大変になるので、そこは要検討です。


ABARTH124SPIDER 純正オプションマフラー レコードモンツァ
ABARTH124SPIDER 純正オプションマフラー レコードモンツァ

まとめ

  • レコモンのバルブ固着は「稀」というより、124スパイダーではそこそこ聞く話。予防には月イチ注油が効果的という声もある。私は気が向いた年一、レコモンを外し清掃。その際に固着しているかを確認する。最初は気にしていたが最近は全然きにしなくなった
  • バルブは負圧で閉じ、負圧が抜けるとバネで開く方向に戻る構造。今回は可動部自体がサビで固まっていたのが原因
  • タイラップでの常時開放は、体感できるほどの音量変化にはつながらなかった
  • 開放状態のチェックは「寒い朝の始動時、4本すべてから煙が出るか」で判定するのが確実
  • バルブを開けっぱなしにすると、逆にアフターファイヤ(パンパン音)が出にくくなった気がする
  • ターボ車で「絞る」方向のチューニングはナンセンス。方向性を変えて再挑戦したい

結論として

レコードモンツァの弁開放をする意味がない。
POPS & BANGSを行いたいなら弁開放はしない方がよいと思われる。

≫ Record Monza (レコードモンツァ)についてはコチラ

商品:潤滑・防錆固着対策へ

KURE CRC 5-56 潤滑防錆スプレー 3本セット

KU RE CRC 5-56 (増量缶 320+48=368ml)潤滑・防錆スプレー 3本セット + 作業用ラバー手袋付き|整備・DIY・メンテナンス用 お得セット

新品価格
¥2,480から
(2026/8/17 22:43時点)

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 ※ が付いている欄は必須項目です