国立工芸館をバックに撮ってみよう

金沢には、古い街並みや寺社だけではなく、明治・大正期の近代建築を背景に写真を撮れる場所が数多くあります。
その中でも、車を主役にした写真を撮るなら一度訪れてみたいのが、金沢市出羽町にある国立工芸館周辺です。
国立工芸館を中心に、周辺には旧陸軍施設を利用した歴史的建造物が集まり、洋風建築、赤レンガ、石畳、緑、そして夜間のライトアップまで、時間帯によってまったく違う表情を見せてくれます。
今回は、実際にこのエリアで撮影した写真を紹介しながら、車を被写体にした撮影スポットとしての魅力を紹介します。
国立工芸館とは
国立工芸館は、石川県金沢市出羽町にある、近現代の工芸・デザインを専門とする国立美術館です。
1977年に東京・北の丸公園で開館した東京国立近代美術館工芸館を前身とし、2020年に金沢へ移転しました。
現在の建物には、明治期に建てられた旧陸軍第九師団司令部庁舎と旧陸軍金沢偕行社が移築・復元されており、歴史的な建築そのものも見どころの一つです。
館内では陶磁、ガラス、漆工、木工、染織、金工、デザインなど、4,000点以上の作品が収蔵されています。
今回は館内撮影ではなく、建物の外観と周辺環境を利用した写真撮影を目的として訪れました。
撮影スポットとして魅力的な「国立工芸館周辺」
国立工芸館周辺の魅力は、ひとつの建物だけではありません。
国立工芸館、石川県立歴史博物館、周辺の歴史的建築物や緑地などが近い範囲にまとまっているため、少し歩くだけでも背景を変えながら撮影できます。
特に車を撮る場合は、
歴史建築 × 赤レンガ × 緑 × 石畳 × 夜景
という組み合わせを作れるのが大きな魅力です。
今回撮影した3枚も、同じエリアでありながら時間帯と構図を変えることで、かなり違った雰囲気になりました。
① 赤レンガを背景に車を撮る

まずおすすめしたいのが、赤レンガ造りの建物を背景にした構図です。
写真の背景に写っているのは、旧金澤陸軍兵器支廠。
現在は石川県立歴史博物館として利用されている建物で、明治42年(1909年)から大正3年(1914年)にかけて建てられた3棟の兵器庫が残されています。
3棟はいずれも煉瓦造・2階建てで、長さ約90mにも及ぶ非常に大きな建物です。
1990年には国の重要文化財に指定されています。
≫ほかの明治時代の赤レンガ近代建築の記事はこちら
今回の写真では、この赤レンガの壁面を大きく背景に入れ、白いアバルト124スパイダーを配置しました。写真に写る赤レンガ倉庫しまっている扉は開館時間は開いており公共トイレになっています。
白い車との相性が非常に良い
赤レンガと白いボディカラーはコントラストが強く、車の輪郭が非常に分かりやすくなります。
特に、
- 白・シルバー系の車
- ブラック系の車
- イタリア車
- クラシック系のスポーツカー
などとの組み合わせは面白そうです。
背景のレンガそのものに強い存在感があるため、車を大きく写しすぎず、建築物を背景としてしっかり残すのがポイント。
車だけを撮るというより、
「歴史的建築物の中に車を置く」
という感覚で構図を作ると、この場所らしい写真になります。
② 夜はまったく違う雰囲気に

このエリアは昼間だけでなく、夜の撮影も面白い場所です。
国立工芸館周辺では夜間に建物がライトアップされるため、昼間とは違った幻想的な雰囲気になります。
今回の撮影では、暗くなった時間帯に車を配置。
背景の建物がライトアップされ、手前の車にはヘッドライトの光が加わることで、昼間とはまったく違う写真になりました。
夜景撮影では、単純に明るく撮るのではなく、
背景を暗く残しながら建物の照明を生かす
ことを意識すると、より映画的な雰囲気になります。
白い車の場合、ライトを当てすぎるとボディが白飛びしやすいため、露出は少し慎重に。
ココの夜撮影のポイント
ヘッドライトの明るさと建物のライトアップのバランスを探すのと②の写真のように夜は旧金澤陸軍兵器支廠の横にあるレンガ道の脇に赤レンガ倉庫を照らすスポットライトをあえて利用して撮影がポイントになると思われます。そこにあるものを有効に使いましょう
③ 夕暮れは歴史建築と相性抜群
今回の3枚の中で、個人的に特におすすめしたいのが夕暮れです。
夕方になると、建物の白い壁や緑の装飾に暖色系の光が入り、昼間とは違う柔らかな表情になります。
さらに、空が徐々に暗くなっていくことで、建物の照明も少しずつ存在感を増していきます。
いわゆるマジックアワーの時間帯です。
この時間帯は、車の撮影にも非常に向いています。
白い車のボディには夕日の暖色が反射し、背景の建築物には青みを残すことで、
暖色の車 × 青みの残る空 × 歴史建築
という立体的な色の組み合わせを作ることができます。
今回の写真でも、夕暮れの光によって車と建築物が自然につながり、昼間よりも少しドラマチックな雰囲気になりました。
この場所で車を撮るなら狙いたい時間帯
撮影目的なら、時間帯によって構図を変えるのがおすすめです。
昼間
建物のディテールをしっかり見せたいなら昼間。
赤レンガや歴史的建築物の細かな装飾まで写し込むことができます。
個人的に人物撮影の時間帯かな。
夕方
個人的に一番おすすめしたい時間帯。
日没前後は光が柔らかくなり、車のボディにも美しい反射が入ります。
特に晴天の日だけでなく、薄雲がある日の夕方も狙い目です。
人物または車
夜は併設ライトを利用しよう
建物のライトアップを利用した撮影。
昼間とは完全に違う写真を作ることができます。
車のヘッドライトやテールランプをアクセントとして利用すると、よりドラマチックになります。
夜は建物のライトアップを背景として利用し、ヘッドライトやテールランプをアクセントに。
露出を上げすぎず、暗部をある程度残した方が雰囲気を出しやすいでしょう。
三脚撮影がオススメです
撮影時に意識したい構図
この場所では、車を単独でアップにするよりも、背景の建築物を積極的に利用する構図がおすすめです。
例えば、
建物を大きく入れる
車を画面下部に配置し、建物を大きく見せる構図。
「金沢らしい歴史建築と車」というテーマを伝えやすくなります。
ポイントとして”人物 または車を主題に入れ建物を大きく見せるとは望遠レンズを用いて撮りましょう”
車を横位置にする
赤レンガの長い壁面と車のボディラインを合わせる構図。
今回の1枚目(TOP画像)のような写真は、この場所との相性が良い撮り方です。
ローアングル
車を低い位置から撮影すると、背景の建物がより大きく見えます。
特にローダウンした車やスポーツカーなら、ローアングルによって車の存在感を強調できます。
そして、この場所でぜひ注目したいのが車を撮影する足元の路面です。
一般的な道路や駐車スペースのようなアスファルトではなく、場所によってはレンガを組み合わせたような舗装になっており、これが写真全体の雰囲気を大きく変えてくれます。
赤レンガの歴史的な建物を背景に、足元にもレンガの質感が入ることで、単なる「車+建物」の写真ではなく、建物と路面まで含めて一つの世界観を作ることができます。
特にローアングルで撮影すると、手前のレンガの質感が画面に入りやすくなり、車の低さや存在感と相まって、より重厚な写真に仕上がります。
国立工芸館周辺が持つレトロでクラシカルな雰囲気は、建物だけではありません。
赤レンガの建築、歴史を感じさせる路面、そしてクラシックな雰囲気を持つ車。
この3つを一緒に写し込めることが、この場所を車の撮影スポットとして面白くしているポイントの一つです。
アスファルトの上で撮る車とは違い、レンガの凹凸や色、陰影が画面の前景に入ることで、写真に奥行きも生まれます。
車を撮影する際は、単純に車の高さにカメラを合わせるのではなく、少しカメラを低く構えて、車・レンガの路面・歴史的建築物を一枚の中に収める構図もぜひ試してみたいところです。
オススメの時間帯:夕方から夜にかけてのライトアップ
この場所で撮影するなら、国立工芸館の開館時間終了の金曜日を除く17:30以降の夕方からライトアップが始まる時間帯もおすすめです。(※金曜日の閉館時間:20:00)
写真のように、まだ空に明るさが残っている時間帯に建物の照明が点灯すると、自然光と人工照明が混ざり合い、昼間とは違った独特の雰囲気を作り出すことができます。
特に国立工芸館周辺の歴史を感じさせる建築物と、暖色系の照明の組み合わせは相性が良く、どこか懐かしいレトロ感やクラシカルな雰囲気を演出できます。
完全に日が落ちてから撮影するよりも、空に少し青みや夕暮れの明るさが残っている時間帯を狙うのがポイント。
建物のライトアップだけでなく、夕暮れの空、街灯、車のヘッドライトなど、複数の光が一枚の中に入ることで、写真に奥行きが生まれます。
車を撮影する場合も、ボディに残る夕方の自然光と建物からの暖かな光が重なることで、白いボディには柔らかな陰影が生まれ、より立体的に見せることができます。
「日没直後のライトアップが始まったタイミング」
ここを狙って訪れると、昼間とは違う国立工芸館周辺の魅力を引き出せるので、車や建築物の撮影スポットとして特におすすめです。
国立工芸館だけで終わらせないのがポイント
この場所の面白いところは、国立工芸館だけを目的地にする必要がないことです。
周辺には、
- 国立工芸館
- 石川県立歴史博物館
- 旧金澤陸軍兵器支廠
- 石川県立美術館
- 兼六園
など、歴史・文化施設が集まっています。
つまり、**「国立工芸館へ行く」ではなく、「兼六園周辺の文化施設を巡りながら撮影する」**というプランにすると、一日の撮影ルートとしても組みやすくなります。
金沢観光の途中で立ち寄ってもよく、車の撮影を目的に時間を作っても面白いエリアです。
駐車場について
国立工芸館には、近隣文化施設との共用駐車場があり、公式案内では約230台・無料とされています。
ただし、撮影のために車を敷地内へ自由に乗り入れて撮影できる場所、という意味ではありません。
また、国立工芸館の建物入口への車両の横付けはできません。
旧金澤陸軍兵器支廠を利用している石川県立歴史博物館にも無料駐車場があり、公式サイトでは45台と案内されています。
なお、石川県立歴史博物館では建物外観の撮影は自由としつつ、機材を自動車等で運ぶような大がかりな撮影については事前連絡を求めています。
車を使った撮影では、一般の来館者や歩行者の妨げにならないよう、駐車場から撮影場所まで車を移動させる場合は現地のルールを必ず確認するのがおすすめです。必ず開館時間帯での撮影の際は駐車場警備員さんの指示に沿ってください。
館内は「工芸」を楽しむ場所
今回は外観撮影が目的だったため、館内の撮影については詳しく紹介しません。
ただ、国立工芸館そのものも、日本で唯一の工芸・デザイン専門の国立美術館として、金沢を訪れた際には立ち寄る価値があります。
陶磁、ガラス、漆工、木工、染織、金工、デザインなど幅広い分野の作品を収蔵しており、展覧会も定期的に開催されています。
なお、館内の写真撮影は展覧会によって扱いが異なり、撮影可能な場合でもフラッシュ・三脚・自撮り棒は禁止されています。
まとめ|金沢で「人物、車+歴史建築」を撮るなら面白い場所
国立工芸館周辺は、単純な観光スポットというだけではなく、写真を撮る場所として見ても非常に面白いエリアです。実際に私自身仕事で撮影を内外で行ったことがあり幾度か足を運んでいるベストプレス。大好きな場所です
特に車を被写体にする場合、
赤レンガの歴史建築
明治・大正期の洋風建築
緑のある景観
石畳や歴史的な街並み
夜間のライトアップ
と、ひとつのエリアでかなり多くの背景を使うことができます。
今回撮影したアバルト124スパイダーも、赤レンガ、夕暮れ、夜景と背景を変えることで、それぞれ違った表情を見せてくれました。
「金沢で車を撮りたいけれど、いつもの海や山とは少し違う写真を撮りたい」
≫ほかの明治時代の赤レンガ近代建築の記事はこちら
そんなときには、国立工芸館周辺は候補に入れてみてもいい撮影スポットだと思います。
昼間だけで終わらせず、夕暮れから夜まで時間を取って撮影すると、この場所の魅力をより引き出せるはずです。旧金澤陸軍兵器支廠は明治、大正時代に建設された赤レンガの建物です。赤レンガを背景に撮影するのも令和では中々貴重な体験になると思います
国立工芸館 基本情報
所在地: 石川県金沢市出羽町3-2
開館時間: 9:30~17:30(入館17:00まで)
休館日: 月曜日(祝休日の場合は翌平日)、展示替期間、年末年始
アクセス: 金沢駅から車で約10分
駐車場: 近隣文化施設との共用駐車場あり
※開館時間・休館日・駐車場等は変更される場合があります。訪問前に公式サイトで最新情報をご確認ください。
撮影場所
国立工芸館周辺/石川県立歴史博物館周辺
石川県金沢市出羽町
歴史的な建築物と車を組み合わせた写真を撮りたい方には、ぜひ一度訪れてほしいエリアです。
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